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「交感」
「交感」

 深夜に交わされるメール。
「私、また手首切っちゃった」
「僕も今切ったところ」
「本当? 傷、見せて。私も送るから」
 少女の赤い手首と少年の血の流れる腕が、電波に乗って交換される。

 病棟で少女は携帯を取り出して。
「久しぶり。実は入院させられちゃって。病院の人に特別に許可もらってメールしてるんだ」
「連絡がないから死んじゃったのかと焦ってたよ」
「ここの暮らし、最悪。リスカもできないし、すごい鬱」
「逃げ出したいなら手助けするよ」
「本当? 遠いのに、大丈夫?」
「平気だって。病院の場所教えて」

 病院から抜け出して、行き着いた海辺の廃屋。
 少年が用意した、二人分の剃刀。
 二人は深く手首を切って、流れる血を絡みつかせた。
 そして交互に互いの腕を切ってゆく。
 時には自らを傷つけて。
 腕だけで飽き足らなくなった二人は、衣服を裂いて、全身を。
 無数の切り傷。二人分の笑顔。血が二人の白い躰を濡らして。
 破れた屋根から、月が蒼白く照らし。
 少年と少女は、安らかに眠りについた。


2003.10.08
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