私が「神」と言うとき、念頭に置いているのはユダヤ・キリスト・イスラムの神ではない(唯一神の比喩として聖書の語句を口にはするが)。むろん日本の神道のような八百万の神でも、ローマ・ギリシアその他の多神教の神でも、遊戯王の「幻神獣」でもない。 主に念頭に置くのは「哲学者の神」(デカルトが「コギト・エルゴ・スム」の直後に存在証明したような)、そして最も中心的に語るのは「SFで語られる神」である。 何故かといえば、信仰の対象となる人格神とは、往々にして「人間のレベルに落として」理解されている場合が多く、「神」という超越的な概念を理解するには不適切な場合が多いからだ。 その点、SFでは「異種」のものを何とか描出しようとしてきた歴史がある。哲学にしても、論理で突き詰めようという態度はあるが、どうしても長い「神学」の歴史から逃れ得ない。SFはその点自由に「異質の超知性」としての「神」を、現実に実証されている科学技術からの外挿(Extrapolation)によって描写できる利点がある。時に大胆な発想もあるが、科学を下敷きにしている分、オカルティズムより真実味が高く、哲学やサイコロジーより「人間」にとらわれない発想ができる場だろう。 これが私が「宗教SF」に生涯の目標を置いている理由の一つである。 テーマ:信仰・希望・愛 - ジャンル:学問・文化・芸術
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