惑星ソラリア
社会的ひきこもりから自由になるための思索と実践の日々
私が母に本当に望んでいること
岸田秀の『唯幻論物語』を読んでいて思ったこと。
私が本当に母に望んでいるのは、宗教をやめてくれ、ということでは「ない」。
母が自分にも隠している(つまり意識していない)私への「期待」を捨て去ってほしい、ということだ。

順を追って書いてみよう。
母は「生きていてくれるだけでいい」と「無償の愛」を口にする。
母自身それを本当に信じているし、その自己欺瞞を私も共有して、利用する。
母は「お兄ちゃんが立ち直るためにできることは、何でもするから」と、理解のある親の姿勢を示す。
「まだまだ私も理解が足りないね」などと卑下しつつも、自分が本当に息子のためには努力を惜しまない、献身的な親であるという自己像には、基本的に確信を持っている。
そして私もその認識を共有してしまう。

だが、母にとっての真実は、自分を救ってくれた今の教えの神様である。
私がそれに反発して離れたことも、今は「お兄ちゃんはお兄ちゃんの信じる生き方で生きていけばいいから」と許している。
そしてその言葉は本心からのものだと自分でも信じている。
「私も若いころはこの神様に出会うまで、いろいろな教えを巡ってきたんだから」と。

しかし母の本当の望みは結局「家族全員が同じ神様を信じて救われること」だ。
今は全く家族に言葉で押しつけることはしていないが(弟に対しては異なる)、
気づけばいつも何気なく、こちらに「手かざし」をしている。
もちろん私たちのためを思って、だ。
それが不快だと指摘しても、決してやめようとはしない。
自分の信仰が絶対に正しいことを確信しているからだ。
そして地道にこうして家や家族を「お浄め」していれば、いつかは皆が「正しさに気づく」ことを信じている。
私に対しても、昔のように、神様を信じて救われていた、素直な信仰共同体の一員に戻ってくることを、信じている。
そして毎日祈っている。
母が私の「信者の証」を絶対に捨てないのは、そのためだ。
それを「返還」する手続きをしていたとばかり思っていたら、実は大事に取ってあったりもした。

私はその「いつかは母と同じ信仰に戻ってくれる」という期待を捨ててほしいのだ。
これは、「信仰を捨てろ」とは違って、内心で勝手に思っていることに干渉するわけだから、意識することが難しかった。
「献身的で理解ある母親」の言葉を真に受けてしまっていたし。
「お兄ちゃんのために全力でサポートはする。だけど神様を捨てることだけはできない」と譲歩している相手に、内心の祈りも捨てろ、などと意識することができようか。
しかしその「愛」を装った祈りは、結局は親としての支配欲が変形したものに過ぎないのだ。
母は私がひきこもっていようと、神様のもとに戻ればそれでいいのだ。
だが、こんなにも私のためにいろいろと尽くしてくれる母に、それを突きつけるのは残酷で、内的禁止がかかる。
この葛藤があるから、心を病んだまま、一向に治らなかったのだろう。

さて、私はどうすればよいのかな。
とりあえずは本の続きを読むことにしよう。



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By 風早 瑞樹



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プロフィール

風早 瑞樹

Author:風早 瑞樹

HN変更しました。
結局はこの名でずっと認知されているので。
(以前の名義は「Amethyst」)

基本:
千葉県在住。1979.1.11生。
職歴なしの社会的ひきこもり
精神科通院中。病名は不明。
基本は「鬱」で「軽躁」「PD」も。
概ね異性愛者(笑)の男性。
県立東○飾高校卒。
某私立大学哲学科4年次中退。
人格の核は、永遠のSF少年。

略歴:
 幼時より母の信仰する某真光系教団の下で育ち、世俗に無関心で「浮いた」少年時代を過ごす。
 運動音痴だが、中学時代は陸上部に所属。
 高校・大学と文芸サークル等で編集長を務めるが、人間関係の問題で辞める。
 高2で信仰と絶縁。精神的危機から哲学を志す。
 漫画を読み始めたのもこの頃。2002年までコミケには毎回参加。
 遊戯王OCGは弟の影響。
 1999年に20歳で自殺する前提で生きてきたが、踏み切れず。
 自暴自棄ながらもある意味活動的に過ごしていたが、
 とある事件をきっかけに、ほぼ寝たきりの毎日となる。

サイト名の由来:
アイザック・アシモフ『ファウンデーションと地球』他より。
惑星ソラリアは、万事をロボットに任せて他人と会う必要がない「ひきこもりの理想郷」。
ただ、現在の私は少々ひきこもりに否定的。
生活リズムを整え、毎日歩くことから、社会参加へ向けて試行錯誤中。
 
■人生を変えた本
『三惑星連合軍』E.E.スミス
『一九八四年』G.オーウェル
『ヴァリス』P.K.ディック
『高校時代』三田誠広
『真夜中の天使』栗本薫

■人生を変えた音楽
'92年紅白(中1当時)の


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